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万引きGメンの裏側
世の中には、あまり知られていない職業があります。
その一つが、私が2年間経験した【万引きGメン】。
カンヌ映画祭で最高賞であるパルムドールを受賞した『万引き家族』という映画があるけど、【万引きGメン】はそれを取り締まる側なのだ。
万引き家族
これから、私が経験した、万引きGメンの仕事の中身をゆっくり書き出していこうと思います。
ゆっくり更新していくので、時々見にきてくれるとうれしいです。
万引きGメンになるためには何か資格や必須条件があるのか
ネットに散乱している、万引きGメンについて書いてある記事を読むと、「必要条件はない。誰でもなれる」と、よく書いてあるのですが、実は警備業法という法律のもと成り立っている職業なので、あります。
面接に受かったら、各省庁を周りさまざまな書類を提出しなければいけません。
破産宣告を受けている人はなれません。
また、診断書を提出する義務があります。
当たり前ですが指名手配されている人もなれません。
私が入社したところは身内に犯罪者がいないか、とか、アルコール依存性はいない、などということを証明するための書類も必要でした。
あとは必須ではありませんが動体視力が求められます。
座学と4日間、先輩についてスーパーで現場研修。
そして三ヶ月の研修期間中にひとり捕まえなければクビという厳しい会社でしたが、最初の月に補足しました、
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初めて捕まえた万引き犯
その日に配属されたのは、小さなスーパーでした。
一日売り場にいたら不自然なほどなので、「今日も夜までただ歩いているだけかな」と、思いつつ、バックヤードからお店に入りました。
いつものように、スタッフさんたちと店長に挨拶をし、奥の休憩所で書類を書いて、管制官に任務に着いたことを報告します。
「狭いスーパーなんだけど万引き多いんだよね」
先輩の言葉を思い出し、店内を見て回る死角がかなり多いことに気がつきました。
9時55分。
10時開店なので、一度バックヤードから外に出て、買い物客と一緒に店に入ります。
長い一日の始まりです。
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万引きする可能性のある人の特徴
・口の空いたカバンを持ってあるいているひと
環境を意識してますよ、とマイバックを使用している人も増えていますけど、万引きGメンには真っ先に疑われます
・レジを通過したのに、商品の入ったレジ袋を持って店内を回り始める人
・車で来ているのに大きなカバンを持っているひと
・買い物カゴの中にバックを入れている人
・寒くないのに上着を着ている人
・足早く移動する人
・キャップを被っているひと
・袖の広い服
・車椅子
・2人組以上でリュックを背負っている人
・学生
まあ、こういった条件の人たちをさりげなく注目しながら、買い物のふりをし続けるのです。
商品の棚から商品をカバンやポケットなどに入れたのをしっかり確認した後は、その商品を棚に戻さずに店外に出たところで声をかけます。
『商品を棚に戻す』ことで万引きGメンや店のスタッフを陥れる詐欺師もいるので、一連の流れを必ず確認しなくてはいけません。
誤認すると訴えられる事もあります。
詐欺師はこれで稼ぎます。
店内棚の曲がり角は要注意です。
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空手道場のTシャツを着た少年の万引き
小学生の男の子のTシャツが気になりました。
私が若い時にお世話になった道場のTシャツだったからです。
万引きGメンだったら、首から下げたバックを体の前に持っていたのに注目すべきだったのですけど。
「おじさんも。その道場で練習したんだよ」
と、少年に言いたいなあと思いつつ、なんとなーく後をつけていたら、お菓子をカバンの中に次々とつめていき、そのまま店の外に出てしまいました。
さーっと、口の中の水分が引いていきました。
「捕捉しますので店長に伝えてください」
すれ違った品出しのパートさんにそう声をかけ、少年を追いました。
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初めての声掛け
「初めての捕捉が小学生か…。まいったなあ…」
少年は自転車に乗ろうとしていました。
子供はね、逃げると追いつけないから早く行動をおこそうね。
そう言った先輩は、2日前に万引きをした中学生に逃げられ、角を曲がる瞬間に「ばーか!」と、嘲笑われたそうです。
歳は取りたくないよね。
先輩は肩を落として言ったのでした。
「こんんちは」
私は覚悟を決めて声をかけました。
口の中が乾くほど緊張していたけど、一度声をかけると言葉がすらすらと出てきます。
「このお店でお金を払っていないお菓子があるんじゃないんですか」
「これのことですか」
少年は悪びれずに、アーモンドチョコレートをカバンの中から出して、少し顔をしかめました。
「それだけじゃないですよね?」
私が問い詰めると、少年は私から目をそらし、こくんと頷きました。
「私は、私服保安員です。万引きGメンって聞いたことありますか?」
少年はこくんと頷きます。
「万引きがしちゃいけないことは知ってるよね」
「はい」
「お店のひとにお菓子を返して謝ること、できる?」
「はい」
「じゃあ一緒にお店に戻りましょう」
「はい」
僕は少年の後ろにつきます。
「そこを右。そのドアをあけて中に入って」
少年は私の言う通りに、取り調べ室に入りました。
取り調べ室
管制官に連絡して、取り調べを始めました。
「テーブルの上に取ったものを出して、この用紙に君の名前と保護者の名前と連絡先を書いてください」
少年はお菓子をかばんから取り出すと、両手を膝の上においてうつむきました。
「連絡先を書いてくれますか?」
少年は無言です。
1時間後、店長が覗きにきて、少年の姿をみると
「時間かかりそうだね。まかせていい?」
と、店に戻りました。
店長も暇じゃないんです。
こまったなあ。
少年が保護者を教えてくれないと、警察に連絡するしかなくなります。
それは避けたい。
「教えてくれないとおまわりさんに電話しなくちゃいけないんだよ。親に連絡するよりおまわりさんのほうがいいの?」
僕がそう言った瞬間、少年は堰を切ったように泣き出しました。
隣の事務所にいたパートさんが、「だ、大丈夫?」と、ドアを開けて言いました。
「大丈夫だと思います。警察には電話したくないんで、ちょっと時間がかかってます」
「そうですよね」
先輩たちは、「すぐに警察に電話した方がらくだよ。あと全部やってくれるから」と、言っていました。
でも小学生だもの。
「お父さんや、お母さんには僕も一緒に謝るし、学校にも連絡しないから。教えてくれないかなあ」
少年はようやくボールペンを握りました。
「これお母さんのです…」
「お母さんに電話していいんだね?」
私が聞くと、少年は机に突っ伏して大声で泣き出しました。
つづく
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